一般的なカーフとは一線を画す雰囲気を醸し出す、「革のダイアモンド」とも呼ばれるマテリアル「コードバン」
今回はその魅力を余すことなく引き出すためのお手入れ方法についてです。
日常的なお手入れについてご紹介する「デイリーケア編」
しっかりと保湿・ツヤ出しを行う「スペシャル編」
この2回に分けてご紹介いたしますので、ぜひ前編後編あわせてお付き合い下さい。今回は後編となる「スペシャル編」。
履きこんでいる状態、しばらくお手入れをしてない状態のコードバンを蘇らせる磨き方のご紹介をいたします。
スペシャル編で使うアイテム
靴の発色がかすみ、白っぽくなってしまった印象のコードバンの靴。では、実際に発色を蘇らせていきましょう。
1.ホコリを落とす
まずは前回と同じく、馬毛のブラシ「プロホースブラシ」で靴全体のホコリを落とします。
2.汚れを落とす
次に、革用の水性汚れ落とし「ステインクレンジングウォーター」を「ポリッシングコットン」に染み込ませます。
靴全体をやさしく拭き上げてください。表面の汚れや古いクリームを落とす効果があります。
(画像は、見えやすいようにコットンの製品とは異なる色の布を使用しています)
「コードバンに水分は絶対NGなのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でもご安心ください。「ステインクレンジングウォーター」は水分を抑えてあるため、シミになるリスクが限りなく低くなっています。
(ただ、念のため目立たないところで試してからご使用ください。)
3.クリームの塗り方
この汚れ落としの作業を2~3回繰り返し、上の画像のように全体的にツヤが無くなったら(くもった印象です)、「コードバンクリームレノベータークリーム」を使用して保湿・補色・ツヤ出しを行います。コードバン専用クリームです。
まず「ポリッシングコットン」にクリームを画像のように少量取り、履きジワや色抜けの気になる部分を中心に塗り込んでいきましょう。
コードバンの水膨れ、白っぽい毛羽立ちが気になる場合は、「アビィ・レザースティック」を使用して表面をさすり、ならしていきます。革表面がなめらかになることでツヤ感・質感を蘇らせることになります。
※「レザースティック」は本水牛の角を使用したコードバン用に開発した道具
4.仕上げ
上の画像のように「レザースティック」の跡が残ってしまう場合、薄くクリームを乗せ直してから、「プロ・ホースブラシ(馬毛)」で円を描くようにブラシをかけて、ツヤ出しを行います。
コードバンは磨き方次第でツヤが強く出やすい素材の分、ブラシで磨いた跡が残りやすい傾向にあるのも事実です。
通常の磨き用のシューズブラシ(豚毛や化繊)よりも、毛が細いので、ブラシ跡が残りにくい「ホースブラシ(馬毛)」をお試しいただくこと。これが綺麗に仕上げるポイントです。
光沢が出るまでブラシをかけたら、仕上げに「グローブクロス」で拭き上げます。
ここでさらに余分なクリーム、ブラシ跡を拭き取ってあげると、
コードバン特有の透明感のある強いツヤが蘇ってくれるはずです。
色抜け、水膨れや履き皺の毛羽立ちが気になる時に是非お試しください。