大切な一足を長く履くために欠かせないアイテム「シュートリー(シューキーパー)」。
「靴のハンガー」として日頃ご案内していますが、
・履きジワのヒビ割れを防ぐ
・つま先の反り返りを抑える
・履き口の型崩れを防ぐ
・クリームの浸透性を上げる
・靴内部の湿度を抑える
など、入れておくことで様々なメリットがあります。
そのメリットを得るために重要なのが「靴に合ったものを選ぶ」ことです。
今回は、「靴に合ったものを選ぶ」中でも特に大切な、
新品革靴におけるシュートリーのフィッティングポイントをご紹介いたします。
押さえるべきは「力のかかり具合」
ズバリ、新品革靴のシュートリー選びで抑えるべきポイントは
「形が合っているもの」
「力のかかり具合」
の2つです。
今回は、この中でも「力のかかり具合」を集中的に解説いたします。
シュートリーが正しい役割を果たすために必要なのが「内側から力をかける」ことです。
革靴を脱いだあと、履いていないときに靴の中から適度な圧力をかけることで、
○ 履きジワをピンと伸ばす
○ カカト部分の型崩れを防ぐ
これらのメリットをしっかりと発揮することができます。
新品の革靴にはこのくらいのものを。
入れる靴が「グッドイヤーウェルテッド製法」のもので、入れるのが「バネ式」のシュートリーであれば、
新品時には画像くらいバネ部分が閉じているものを選ぶのがオススメです。
「ちょっとキツすぎる?」と感じる方も居るかもしれませんが、
これくらいピッタリのフィット感であれば、革靴が足に馴染んだ後でも役割を果たしてくれます。
適度な力のかかり具合?
革靴のお手入れを繰り返し、履き込むことで靴中の空間が広がる場合があります。
これは、革が足の形に馴染んで伸びたり、中底が沈み込んだりするからです。
(※革の質感、靴の製法により差が出ます。)
そのため、「新品時にすこし強めの力がかかっている」くらいのものでないと、
長く靴を履き、足に馴染んだときには
○ 履きジワをピンと伸ばす
○ カカト部分の型崩れを防ぐ
など、シュートリーとしてのメリットを上手く果たせなくなってしまいます。
力をかけすぎると革が伸びる?
「力をかけすぎると革が伸びたり、靴が壊れたりする」と不安な方も居るかもしれません。
しかし、頑丈に作られている「グッドイヤーウェルテッド製法」の靴であれば、
上記のようなフィッティングで革が過度に伸びたり、靴が壊れたりすることはほとんどありません。
ただし、
・アンライニング(裏材のない靴のタイプ)
・セメント製法(底付けが接着のみのタイプ)
などの靴にも、同じくらい力のかかるフィッティングをしてしまうと、
・革が必要以上に伸びすぎてしまう
・アッパーとソールが外れやすくなってしまう
等の問題が起こることもあります。
ネジ式タイプもオススメ
「アンライニングの靴には何を入れたら良いの?」
「セメント製法の靴に入れるシュートリーは何が最適?」
という方には、「バネ式(画像左)」ではなく「ネジ式(画像右)」のシュートリーをオススメしています。
「ネジ式」のシュートリーは、一本で段階ごとに力のかけ具合を調節できるので、
形の合ったモデルを選んでおけば「靴にとってジャスト」の状態を作ることができます。
力のかけ具合を含めた
シュートリータイプの選び方
「バネ式」のシュートリー
→ 強い力をしっかりとかけて大丈夫な靴
→「グッドイヤーウェルテッド製法」の靴
「ネジ式」のシュートリー
→ ジャストな力のかけ具合が適する靴
→ アンライニング(裏材のないタイプ)の靴
→ セメント製法(底付けが接着のみのタイプ)の靴
迷ったらプロに相談
いかがだったでしょうか?
「情報が多すぎて分からなくなってしまった」
という方もすくなくないかもしれません。
そんなときには、シュートリーを合わせたい一足を持って下記店舗にご相談いただくのがオススメです。
M.MOWBRAY認定のシューケアマイスターが、実物を直接フィッティングし、
その際に重要なポイントも解説いたします。
「近くに店舗がない」という方は、下記お問い合わせフォームより、
・靴のブランド/モデル/木型
・サイズ
等を教えていただければ、靴に合うモデルをご案内させていただきます。
ぜひ、お気軽にご相談くださいませ。