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このたび、ラグジュアリーブランドS様にて、皮革製品のお手入れに関する社員研修を実施いたしました。
全国の主要百貨店・直営店舗からスタッフの皆さまが一堂に会し、
素材知識から実技まで、3部構成にて専門的な学びの時間を共有いたしました。
講義の内容
第一部:素材を知る ― 皮革の種類と特性

はじめに、皮革の基本構造や動物種による違い(カーフ・キップ・ラム・シープなど)、
さらに「顔料仕上げ」「染料仕上げ」「起毛皮革」など仕上げによる分類を学びました。
天然皮革と人工皮革(合成・人工・バイオ素材)の違いやそれぞれのメリット・デメリット、
近年注目されている天然皮革のサステナビリティについても詳しく解説し、「育てて使う」革の価値に触れていただきました。
第二部:守り育てる ― ケア理論とトラブル対策
次に、実際に現場で役立つケアの基本知識を中心に、各種レザーに対応したお手入れ方法をご紹介しました。
・スムースレザー/ヌメ革/エナメル/スエード・ヌバックそれぞれの手入れのポイント
・ケア用品(クリーム・ローション・ブラシ等)の特徴と使い分け
・カビ・水染みといったトラブル時の対処法
・適切な保管とカビ予防のための環境管理
といった実用性の高い内容を中心に、製品寿命を延ばすだけでなく「接客に活かせる知識」として、
皆様にご活用いただけるよう構成しました。
第三部:実技編 ― 道具に触れ、手を動かす
講座の最後は、実際にケア用品を手に取りながらの実技研修を行いました。
店舗で扱うバッグや革小物を想定し、汚れ落とし・保革・ツヤ出し・ブラッシングなど、基本のケア工程を一人ひとりが実践。
塗装膜のある革とない革による「染み込み方の違い」や、「適したクリームの選び方」なども体感していただきながら、
革の状態を観察する力や、正しい手入れの感覚を養っていただきました。
ご参加者の声と今後の展望

講座後には、
「知識が体系的に整理できた」
「お客様対応にすぐ活かせる内容だった」
とのお声を多くいただきました。
また、「雨の日の案内方法」「淡色革の取り扱い」「素材に応じた説明トーク」など、
現場で実際に感じていた疑問に対してもディスカッションを通じて明確な解決のヒントが生まれました。
最後に
革製品のお手入れは、モノを大切にする文化を伝える手段であり、お客様との信頼構築にもつながる重要な要素です。
今後も、ブランドの価値向上とスタッフの皆さまのスキルアップに貢献できるよう、実践的なサポートを継続してまいります。