先日、日本革類卸売事業協同組合、一般社団法人日本皮革産業連合会主催「レザーソムリエ検定 初級講座(ケア部門)」にて、革製品のメンテナンスについて講師としてお話させていただきました。
この講座には約80名の革好き・学び意欲の高い皆さまが参加され、講義では、革の魅力を長く楽しむための知識と技術を、理論と実践の両面からお伝えしました。

< 講義内容の詳細>

1.革製品のメンテナンスの基本
ケアの基本
・乾拭きでホコリを落とす習慣
・定期的な保湿(栄養補給)
・風通しの良い場所での保管
特に湿気対策は日本の気候では非常に重要です。
2. 革の仕上げによるケアの違い
・塗装膜がある革のケア
・塗装膜がない革のケア
3. 革の「エイジング(経年変化)」について
講座でも特に盛り上がったのが、この“革の育ち方”に関する話題です。
革は使い込むことで、色味が深くなる、ツヤが増す、柔らかく手になじむといった変化を見せます。これは天然素材ならではの楽しみであり、適切なケアこそがこのエイジングを美しく導いてくれる鍵です。
4. ケアに必要な「三種の神器」
以下の3点は、革のお手入れに欠かせない道具です:
1. 汚れ落とし(クリーナー)
2. 栄養クリーム
3. ブラシ
5. ビフォアケア(プレメンテナンス)の重要性
新品の革製品は、実は非常に“無防備”な状態です。水や汚れに弱く、すぐにダメージを受けることも。そのため、購入直後のケアが大切です。
6. 革のお手入れ5ステップ(実演付き)
実際の手順として紹介したのがこちら:
・ブラッシングでホコリを落とす
・クリーナーで汚れを落とす
・栄養クリームを塗布
・柔らかい布でなじませる
・仕上げブラッシングでツヤ出し

一連の流れを通して、革が見違えるように美しくなる様子に、参加者の皆さまも驚かれていました。
質疑応答タイム:受講者からの質問例
「雨で濡れてしまった革製品はどうすればいい?」
「シミになった部分を復元する方法は?」
「クリームの塗りすぎによるベタつき対策は?」
どれも実践的で鋭い質問ばかりでした。ご自身でケアを実践している方が多く、知識の深さに感心いたしました。

最後に

革は「使いながら育てる」素材です。その成長の手助けをするのが、私たちのシューケアやレザーケア。今後もこうした講義を通じて、皆さまの革ライフがより豊かになるよう情報を発信していきます。ご参加の皆様ありがとうございました。