靴のお手入れ基礎知識の第3回「艶出し」についてのお話です。
靴磨きの醍醐味「艶出し」
艶の有無によって、革靴の印象は大きく変わります。特にビジネスシューズやドレスシューズは艶を出して、綺麗に履きたいものです。
艶出しの工程は、
・クリームの塗布
・豚毛(化繊)ブラシでクリームをなじませる
この2点だけ。非常にシンプルなものです。
クリームの塗布
クリームを塗る前の状態です。
今回使用する道具はこちらです。
M.MOWBRAY PRESTIGIO クリームナチュラーレ (向かって左)
M.MOWBRAY ペネトレィトブラシ (真ん中)
紗乃織 SANOHATAブラシ手植ブラシ (向かって右)
クリームは、艶が出るものをお選びください。ブラシは化繊か豚毛のものを使用します。
ペネトレィトブラシにクリームをとります。クリームの量に注意してください。片足につき、米粒2,3粒程度が適量です。足りなければ、その都度少しずつ足します。クリームが多すぎると、ブラッシングの際にブラシがもたついて艶が出にくくなります。また靴表面のべた付きの原因にもなります。私も靴磨きを始めた頃は、艶を出したい一心で大量のクリームを塗り、べたつきを無くすのに苦労しました。
全体にクリームが行き渡るように塗り広げます。
靴本体とソールの隙間など、細かいところに塗り逃しがないよう気を付けてください。
これでクリームの塗布は完了です。この段階では、艶は出ませんが安心してください。次の工程に移ります。
ブラッシングで艶を出す
前回のデリケートクリームの時と同様で、クリームが乾ききらないうちにブラシをかけていきます。ムラなく仕上げるための、大切なポイントです。
手先だけではなく、肘から先を大きく動かして、ブラシをかけます。大きく動かした方が、効率良くクリームを馴染ませることができます。
向かって右側が磨いたものです。きれいに艶がでました。あとは「拭き取り」の工程を残すのみです。
次回に続きます。