春先から夏にかけてのこの時期、不安定な天候の日が続きます。
そのため、雨によるダメージを受けたものをはじめとして、多くの靴のお手入れ相談をいただいています。また、ご自身で靴のお手入れをする方にとっても、革の状態の確認など気を使うことが多い時期なのではないでしょうか。
汚れ落とし、サボってない?
多くのご相談を受けることで自然と靴磨きの基本的な流れをお話しする機会が増えるのですが、最近気になることが。
それは「靴の汚れ落とし」について。
ここで言う「汚れ落とし」とは、付着した汚れだけではなく過去に塗られた古い靴クリームも含みます。その汚れ落としをせず、そのままクリームを塗ってしまう方が意外と多いように感じます。確かに汚れ落としをせずともクリームは塗れますし、そのあとブラシをかければツヤもでます。しかし、長い目で見れば見るほど、ここが落とし穴になってくるのです。
汚れ落としをしないリスク
汚れ落としとは、付着した汚れだけではなく古い靴クリームを含むことは先述の通り。これらを除去をしなければ、以下のようなリスクが考えられます。
1.革に新たに靴クリームを塗っても、汚れの上から塗るためきれいに浸透し辛い。
2.古い靴クリームの上に新しい靴クリームを重ねることで、クリームの厚塗り状態になってしまう。
ここでこの2点について説明します。
1つ目のリスク
汚れや古い靴クリームが革の表面に蓋をしている状態のため、これらが新たに塗布する靴クリームの邪魔をしてしまいます。
また、革の部位によって汚れの付着の度合いや、残っている古い靴クリームの量も違うため、新たに塗布する靴クリームが均一に浸透しません。
2つ目のリスク
古い靴クリームの上に新たな靴クリームが重なり厚塗り状態になり、これが続くと蓄積した靴クリームが硬化します。
そうなると、革のひび割れが起こりやすくなる可能性もでてきます。これらのリスクを避ける、または軽減するため汚れ落としは大切なのです。
汚れ落としの定番「ステインリムーバー」
M.MOWBRAYのステインリムーバーは液体タイプの靴用汚れ落としです。
優れた洗浄力を持ちながら軟水ベースでソフトな仕様のため、色落ちやシミなどのリスクが少なく幅広い靴に使うことができます。
(靴のコンデションなどによって使用リスクが高いこともありますので、最初に使う際は目立たない場所でテストしてください。)
また、液体タイプのため靴表面に汚れ落とし自体が残り辛く、靴磨きにあまり慣れ親しんでいない方でも使いやすいのも特徴です。
使い方は簡単
使い方は非常に簡単です。ステインリムーバーを布が少し湿る程度とります。
この際使用する布はM.MOWBRAY リムーバークロスのような綿100%のものが望ましいです。
そのまま、優しく靴を拭いていきます。
付着した汚れの度合いや古い靴クリームの残り具合により程度は異なりますが、この工程を2〜3度繰り返します。
このように汚れを取り除き靴をスッピン状態にすることで、新たに塗布する靴クリームの成分がが革にしっかり浸透し、ツヤが出やすくきれいな仕上がりに繋がります。靴のお手入れの工程の中でも、汚れ落としはその場での効果を実感しにくく、つい軽視する方も多いかもしれません。
ですが靴の元の状態を整えることは、靴クリームの効果を十二分に引き出すということに直結するものです。
大切な靴をかっこよくきれいに、長く愛用するために、ぜひ行っていただきたいです。