数年前と比べて、革靴には「シュートリー(シューキーパー)を入れたほうがいいんですよね?」とお問い合わせいただくことが多くなりました。
革靴を長く履いていくためにも必要なアイテムはいくつかありますが、その代表格が ” シューツリー(=シュートリー、シューキーパー) ” です。
「靴のハンガー」とも呼ばれるシューツリー、一体なぜ必要なのでしょうか?
今回は、メリットを交えながらシューツリーが革靴にとって必要な理由について解説していきます。
シューツリーを入れる5つのメリット
- 履きジワのヒビ割れを防ぐ。
- つま先の反り返りを抑える。
- 履き口の型崩れを防ぐ。
- クリームの浸透性を上げる。
- 靴内部の湿度を抑える。
革靴にシューツリーを入れるメリットは、以上の5つです。
それぞれを順番に解説していきます!
1. 履きジワのヒビ割れを防ぐ。
革靴を履く上で避けては通れない ” 履きジワ(画像左) ” の存在。
歩くたび、足に合わせて靴が曲がることで入る履きジワは、何もせず放置してしまうと、
シワがどんどんと深くなり、ヒビ割れ(=クラック)を起こしてしまいます。
シューツリーを入れて内側から圧力をかけることで、シワが必要以上に深く入り、ヒビ割れを起こすのを防ぐことができます。
2. つま先の反り返りを抑える。
履いて歩くことにより屈曲を繰り返すと、ソール(=靴底)が曲がり、つま先が反り返ります。
何も入れずに放置してしまうと、履きジワ同様にソールはどんどん曲がり、つま先の反りも進行してしまいます。
履かないときに、ぴったりと形の合ったシューツリーを入れることで、
右の画像のようにつま先の反り返りを抑えることができます。
3. 履き口の型崩れを防ぐ。
脱いだ後に広がってしまうかかとや履き口周り。
1. 2. 同様、これも放置してしまうと、靴が足に馴染んだ頃には、逆に脱げやすくなってしまうかもしれません。
特にローファーなどのスリッポンタイプの靴だと、かかとのホールド感は重要です。このようなタイプの靴は、靴紐で足を固定することのできないため、かかとが広がって緩くなってしまうと歩く度に靴が脱げそうになってしまいます。
画像のように、しっかりとかかと周りにフィットするシューツリーを選ぶことで、履き口のシェイプを保ちやすくなり、フィット感の維持にも繋がります。
4. クリームの浸透性を上げる。
シューツリーを入れ、シワがピンと張った状態を保つことにより、
細かなシワとシワの間にまでクリームを塗りこむことができます。
同様に、クリーナーをかける際も、シワとシワの間の細かな部分まで汚れを拭き取りやすくなります。
5. 靴内部の湿度を抑える。
人の足は一日あたり、コップ一杯分の汗をかくと言われています。
この状態が続くと、靴内部(ライニング)の傷みが早くなってしまいます。
木製のシューツリーは形を整えるのみならず、靴内部の湿気を吸収することで、靴内部の湿度を抑えることができます。
木製のシューツリーを選ぶことで、靴のアッパー(=甲革)のみならず、内側も含めて大切な一足が長持ちします。
大切な一足にとって欠かせない存在
以上、シューツリーを入れる5つのメリットを紹介してきました。
ぴったりと相性の合ったシューツリーを入れるだけで、靴の寿命が伸びるのはもちろん、靴本体の形も整えることができます。
着た後のスーツやコートをハンガーにかけるのと同様、
履いた後の革靴にはシューツリーを入れてあげてください!
・Sarto Recamier 100-EX(左上)
・Sarto Recamier 200-EX(右上)
・Sarto Recamier 300-EX(左下)
・Sarto Recamier 400-EX(右下)
Sarto Recamier シリーズのシューツリーは、
履き心地はもちろん、
靴本体のシルエットを保つためにカカト周りの絞られた木型を採用しています。
しかし、ぴったりと合ったものを選ばないとシューツリーは効果を発揮しないもの。
シューツリーの選び方は、下記リンクよりご覧いただけます。
ぜひご覧ください。