2023年も早くも4月を迎えます。
年が変わっても、月をまたいでも、時間が過ぎる早さだけは変わりません。
さて、” 変わらない “といえば、靴磨きに関しても長くに渡っていただくお問い合わせがいくつか存在します。
中でも特に多いのが、タイトルにもある
「無色のクリームを使うべきなのか、色付きのクリームを使うべきなのか」
というお問い合わせ。
靴の特徴や希望する仕上がりによって、最適な靴クリームの選び方が変わるというのが結論ではあります。
しかし、昨今の靴磨きブームの影響も相まって、「靴クリーム」と一口に言っても、その色数や種類は千差万別。
選ぶのになかなか困ってしまうというお悩みにも納得です。
そこで今回は、
「無色のクリームを使うべきなのか、色付きのクリームを使うべきなのか」
について、双方のメリットを交えながら、選び方を解説いたします。
無色のクリームを使用するメリット
・初めてのお手入れで靴の色味を大きく変えずにお手入れができる。
・革の色とステッチ(縫い糸)が異なる場合、糸の色を染めることなく栄養補給ができる。
・複数色の素材が使われている靴の場合、複数のクリームを使い分ける必要がなく、無色のクリーム1つだけあればお手入れできる。
・ブーツのシャフト(筒部分)など、洋服の裾に触れる部分に使用することで色移りを防ぐことができる。
色の付いてない無色のクリームを使用する際には、以上のようなメリットが挙げられます。
特に「どんな色にも使える」という点は、ケアに馴染みのない初心者の方でも安心して靴磨きができる優れた点です。
初心者の方ではなくても、ステッチに色が付くのを避けたり、洋服への色移りを回避したりと、すこし特殊な使い道があるのも外せないポイントです。
色付きのクリームを使用するメリット
・色抜けを補色し、スレやキズなどを目立ちづらくすることができる。
・わずかな色味の差異を使い分けることで、革の色味を濃く仕上げることができる。
色付きのクリームを使用するメリットには、上記の2つが挙げられます。
「無色のクリームに比べるとメリットが少ないのでは?」
と感じる方も居るかもしれませんが、この2つは革靴を長く履く上では欠かすことのできない大きなメリット。
(左)Before/(右)After
色抜けやスレ傷をバッチリ回復させたり、
濃淡を意図的にコントロールすることで革の雰囲気を変化させて楽しんだりできるのは、色付きのクリームにしかない特徴。
(左)無色のクリームを使用/(右)黒のクリームを使用
特に、黒い革靴であればその差は顕著に。
写真ではなかなか伝わりづらいですが、しっかりと色が入る黒いクリームで磨き上げると、
お手入れを繰り返すごとに段々と深みが出て、黒々しく品のある質感に育っていきます。
適したクリームの選び方
□無色のクリームを選ぶ場合
・初めてのお手入れで靴の色味を大きく変えたくないとき。
・革の色とステッチ(縫い糸)が異なり、糸の色を染めることなく栄養補給をしたいとき
・複数色の素材が使われており、一種類のクリームでお手入れをしたいとき
・ブーツのシャフト(筒部分)など、洋服の裾に触れる部分からの色移りを防ぎたいとき
□色付きのクリームを選ぶ場合
・色抜け、スレ、キズなどが靴全体に見られ、補色が必要なとき。
・茶靴を始め、つま先やかかとなどの色を元より濃く仕上げたいとき。
・黒靴を購入時よりも黒々しく、深みある仕上がりにしたいとき。
それぞれのクリームのメリット、使用する靴の特徴を踏まえて、
以上のような基準で「無色か、色付きのクリームか」をお選びいただくのがオススメです。
使用するクリームひとつとっても奥深い靴磨きの世界。
ぜひこだわって選んだクリームによるお手入れで、大切な一足を長くお履きください。
色選びが難しい茶色の靴のクリーム選びに関しては、下記リンクからご覧いただけます。