さて今回は、ハイシャインをしやすくするためのポイントについてご紹介いたします。
というのも、自分でやるにはどうしたらいいのかといったご質問を多くいただくようになりました。ただハイシャインの方法を最初から最後まで紹介しようとするとすごく長くなってしまうため、今回はハイシャインの作業の中でも、ベースと呼ばれるワックスの膜を作る所までに焦点を当てて、スタンダードなやり方からオススメアイテムをご紹介できればと思います。
革の表面に平面の膜を作る
革の表面に平面の膜を上手く作ることができれば、正直ハイシャインは7割成功といってもいいほどに、この部分は重要です。そもそも革の表面は平面では?と思いますよね。ただ実際は無数の毛穴による凹凸があり、表面はボコボコ状態。ボコボコしている所にキレイなワックスの膜はできないんです。
ボコボコの表面を平面に整えるには
一般的なハイシャインでは、1種類のワックスでベース作りと仕上げを行います。
今回はM.MOWBRAY PRESTIGIO トラディショナルワックスを使用していきます。まずはワックスを毛穴に押し込み、凹凸感を無くすことで平面にしていきます。
実はハイシャインに挑戦される方の失敗の要因として、この凹凸を無くす作業が足りていないことが多いです。この平面にする作業は結構時間が掛かるんです。初めて挑戦される方は2分~3分で終わる作業と思いがちです。
では時間が掛かる作業なら一度に大量にワックスを取って一気に毛穴を埋めればいいのでは?とも感じますが、それもまた落とし穴。一度に大量のワックスを塗ろうとするとダマやムラが出来やすく、乾かす時間が長くなったりと結局上手くいきません。急がば回れです。ワックスは指に薄く取って、回数を重ねながら塗っていきます。
良い状態と悪い状態
下の写真をご覧ください。
左右どちらの靴も、ワックスで下地を作っているものです。写真左側は指に少量のワックスを取って塗るを6~7回繰り返した状態。写真右側は15~20回繰り返した状態です。右側のベースを作るのに要する時間は、左右合わせて10~15分ほどです。左側の状態は、まだ白く曇っており、革の表面にはまだまだワックスの膜が形成されていない状態。この左側の状態のまま、布にワックスを取り、光らせようとしても、ワックスが重なっていく平面のワックスの層がないため、全く光らないです。右側は左に比べ、革の表面に光沢感のある膜ができています。指で触ると硬いツルッとした膜を感じることができ、表面の凹凸感は全くありません。この下地の上にそれぞれ1層ワックスを布を使って重ねてみるとこの様な状態になります。平面の膜を作ることが、いかに重要か分かります。
短い時間で凹凸感のない膜作りを
さてここからは冒頭にも触れた、オススメ商品をご紹介します。今回紹介する商品は、弊社で取り扱っている M.MOWBRAY ハイシャインプライマー ブラック/ニュートラル
こちらの商品は名前の通り、ハイシャインのプライマー(下地)に特化した商品です。下地というのは、前途にも述べた、革の表面の上に作る平面の膜のことを指します。平面の膜を作るには10~15分程かかる為、ハイシャインをやりなれない方にとっては、面倒に感じる方も多いと思います。そこでこのハイシャインプライマーを使ってください。このハイシャインプライマーは革への定着力が非常に高く、少しの時間で毛穴の凹凸感を無くし、平面の膜を作ることができます。さてどれくらいの時間で作れるのか?やってみます。
ハイシャインプライマーによる最速下地作り
今回使用している靴はREGALの靴です。ハイシャインプライマーを1回で指に取る量は指紋が分かるほどの少量です。
塗布の仕方は人それぞれだと思いますので、あくまで参考としてご覧ください。私は円を描くやり方ではなく、直線的に塗布します。
力加減は結構強め。感覚としては革の表面に擦りつけるイメージです。指にとっては塗ってを10回程繰り返すと、摩擦で「きゅっ」と音が鳴るようになります。この「きゅっ」という音は、革の表面に膜ができた証拠です。時間にして片足2~3分で平面の膜作りが完了します。
(↑ハイシャインプライマーで作った下地の完成形↑)
ハイシャインプライマーで作った膜の上に、柔らかいワックス(一般的に販売されている靴磨き用ワックス)を5~10回指にとって塗っていきます。
これでハイシャインのベースが完成します。柔らかいワックスを上に重ねる理由は、この次の工程である布を使っての仕上げ作業がやりやすいからです。また布に移ってからの作業のコツもご紹介できればと思います。今回はベース作りまでの紹介の為、省略させていただきます。最後に完成形です。
ぜひハイシャインの参考にしてみてください!!