よかれと思ってやっていたことが、実は逆効果だった。そんな経験はありませんか?
歯磨き剤を使って歯を磨いたあと、何回も丁寧に口をゆすいでいたのですが、実はこれが逆効果だったのです。これでは歯磨き剤に含まれる有効成分が、口の中に残りにくくなってしまうそうです。少量の水(15ミリリットルくらい)で5秒間ほど口をゆすげば十分と知ってからは、そのルールを守っています。
さて、このような逆効果は、靴磨きでもよくあることです。
今回は、革靴を大切に思っているからこそ現れる落とし穴と、そこにハマらないためのポイントについてお伝えします。
革靴には栄養補給が必要
何も塗らない状態で履き続けた革靴は、表面がガサガサになり、光沢もどんどん落ちてきてしまいます。そこで必要になるのが、靴クリームです。靴クリームは、革に油分を与えながらコンディションを整え、光沢を出す効果があります。定期的(4~5回の着用につき1回のペース)にクリームを塗っておけば、良いコンディションで革靴を履き続けることができます。革靴好きな方は、ご自身の靴に合わせたクリームを使って、日々、靴を磨いていらっしゃいます。大切にしようとすればするほど、力も入る。しかし、力が入ってくると、落とし穴にハマりやすくなるので注意が必要です。
クリームの塗りすぎは禁物
靴クリームが革に栄養を与えるものであれば、たくさん塗りたくなると思います。塗った分だけ、革のコンディションが良くなって、光沢もキレイに出る。それなら問題はないのですが、革靴はそんなに多くの靴クリームを吸収することができません。革靴は意外と少食なのです。革に吸収されなかった過剰なクリームは、表面に残ってしまいます。それが蓄積していくと、表面がべたつく、塗り重ねたクリームの層が割れてくるといったトラブルが起こります。
革靴を大切にするあまり、クリームを塗り過ぎてしまう。
その過剰なクリームによって、革靴にトラブルが起きる。
これが落とし穴の正体です。この落とし穴にハマらないためのポイントは、2つあります。
・クリームの適量を知る
・定期的にクリーナーを使う
それでは、2つのポイントを確認していきましょう。
クリームの適量は?
革靴に塗るクリームの適量は、片足あたり米粒2、3粒ほどです。この量のクリームを、布や専用ブラシを使って大まかに塗ってから、豚毛のブラシで靴の表面を一気に擦ります。これで革靴は十分綺麗になります。革靴を4〜5回履いたら1回のペースでクリームを塗っていれば、革の乾燥も心配ありません。もし、米粒2、3粒で足りないとき(=塗りムラが出るとき)は、米粒半分ほどの量を塗り足してみてください。
定期的にクリーナーを使えば安心
適量を守っていても、靴クリームを塗り重ね続けるのは得策ではありません。そこでおすすめしたいのが、革靴用の液体クリーナーです。弊社で取り扱っている液体クリーナー、M.MOWBRAY ステインリムーバーは、革靴に残った古い靴クリームを効率良くリセットする効果があります。指に巻いた布に、500円玉の大きさほどのステインリムーバーを取り、靴を拭けばこの通りです。
古い靴クリームを布でキャッチすることができます。ちなみに、2枚目の画像くらい布が黒くなってしまうようですと、前回塗ったクリームの量は過剰です。次回はもう少しクリームの量を抑えてみる必要があります。
では、液体クリーナーはどのくらいの頻度で使えば良いのでしょうか?「新しく靴クリームを塗るときは、必ずセットでクリーナーを使う」と覚えておいていただければ、間違いありません。数回クリームを塗り重ねても、すぐに革靴にトラブルが起こることはありませんが、マメにクリーナーで拭いておけば安心です。
革靴は一生懸命、磨き過ぎない
靴を大切に思い、一生懸命靴を磨こうとするときに現れる落とし穴。その正体は、クリームの塗りすぎによるトラブルでした。革靴と長く付き合うためには、付かず離れずの距離感が重要です。過剰に手を加えてもいけませんし、何もせずに放置してもいけません。
・クリームの適量は、片足あたり米粒2、3粒
・新たにクリームを塗る前には、液体クリーナーを使う
今回お伝えした2つのポイントを知っていれば、落とし穴にハマらず、良い距離感をキープできるはずです。