R&D REPAIR部門より、クリーニングのご紹介です。
靴のお手入れの際、まず最初にしっかりと、靴に残っているクリームの除去をしていますか。
実はこの工程が、シューケアでとても重要な作業。
古いクリームが残ったままでお手入れを続けると…。
クリームの重ね塗りで、靴がトラブルを起こしてしまうその前に。
今回は、トラブル寸前のケアについて、ご紹介していきます!
クリームを重ね塗りした状態がこちら
靴を光らせたいという想いが前面に出過ぎ、クリームを重ね塗りしすぎて
アッパーで固まっている状態です。
もちろん光らせるにはワックスやクリームは必要不可欠なのですが、
「適量を塗る」「古いクリーム・ワックスは落とす」この2点が重要になってきます。
このような状態では、ワックスが落ちているところ・落ちていないところが出てきてしまい、
新しく塗ったクリームの栄養が革の中に浸透しないため、
通常の「クリーニング」では、しっかり落としきることができません。
そのためシューケアマイスター工房では、「ワックス除去クリーニング」というメニューで作業をします。
ワックス除去クリーニング
専用のクリーナーや溶剤、水を使いながら表面のクリーム(ロウ)をふやかし、
出来るだけ革に負担を掛けないように時間を掛けて除去していきます。
時間を掛けてクリーム(ロウ)を除去した状態がこちら
画像でも分かる通り、表面に蓄積されたワックスが取り除かれ
革本来の質感が出てきました。
時間をかけて除去したことにより、革表面にあれている痕跡も
ほとんど見受けられません。
ここまで綺麗に落とす事が出来れば問題ありません。
デリケートクリームでしっかり水分を補給してクリームで仕上げていけば、
革自体にモッチリとしたハリが戻り綺麗にツヤも出てきます。
お好みでつま先やカカトにハイシャインをかけるのも良いかもしれません。
クリーム・ワックスの重ね塗りのし過ぎは、
表面でロウ分が固まりツヤが出なくなる以外にも
・表面ロワックスが邪魔をして新しいクリームの栄養が入らなくなる
・表面がべたついて汚れが付きやすくなる
・除去に時間が掛かかる
・自身で除去しようとして強く擦りすぎて革を痛めてしまう。
など、様々なデメリットがございます。
特に1番最後の状況は避けたいところです。
写真のようにならないよう、定期的に汚れ落としで
古いクリームを除去して下さい。
もし、このような状態になってしまった靴がございましたら、
お近くのシューケアマイスター工房にご相談してみてはいかがでしょうか。