R&D REPAIR部門より、コバのちょっと変わった仕上げ方のご紹介です。
皮革製品における「コバ」とは、革の裁断面の総称で、
革靴のコバは靴底の側面のことを指します。
このコバは、木工関連の言葉で「板状に製材した木材の側面」の「木端(こば)」に由来しているようです。
こちらのリザードローファー。
「ジーンズに合わせるには少しドレッシーすぎるので、もう少しジーンズに合う感じに仕上げて欲しい」
とのご要望で、全体をラフな印象にしていきます。
コバをザラザラにすることでドレッシー感を抑え、ジーンズなどのカジュアルな装いにも相性抜群な仕上がりに。
そのため、コバをアッパーの素材感に合わせ、粗目に仕上げた事例です。
では、今回のコバの仕上げの作業方法をご紹介していきます!
まずは、コバの表面のワックスなどを落とすために細かい目のペーパーでやすりがけします。
やすりをかけた状態がこちら。
所々ワックスが残っていますが、ここから更に粗目のやすりをかけてそれらを落としていきます。
2回目のやすりがけが完了すると、だいぶザラザラ感が出ます。
最後にワックスで繊維を抑え込んで仕上げます。
ワックスを入れながら繊維を潰す事で、靴全体で見た時にコバだけが悪目立ちすることなく、自然な仕上がりになります。
靴をパッと見たときには、なかなか気づきにくいコバの部分ですが、そんな部分にもこだわるのが通というものなのかもしれません。
履いたら分からないような自己満足の世界かもしれませんが、こういう楽しみ方もいかがでしょうか。