「雨に振られて革靴にシミが…」
「久しぶりに出した革靴が、かなり汚れている…」
こんなときに活躍するアイテムが「M.MOWBRAY サドルソープ」です。
ブランドを代表するケア用品として、聞いたことがあるという方も多いかもしれません。
一方で、
・存在は知ってるけど、使い方が分からない
・使い方は知ってるけど、自分で試すのは怖い
というお声もいただきます。
今回のブログでは、そんな 「サドルソープ」の正しい使い方をご紹介します。
そもそもサドルソープとは?
「サドルソープ」とは革靴用の石鹸です。
元々は馬具(サドル)を洗うアイテムとして英国で古くから愛用されていました。その後、革靴を洗う石鹸としても応用され、以来多くの方に愛用されているロングセラー製品です。
そんなサドルソープが愛用されている理由は「洗い上がりの革の風合い」にあります。
革靴を洗うと、
○ 水に濡れて乾燥後、硬くなってしまった革
○ ボディソープ等で洗い、カチカチになってしまった革
このようなことが起こる可能性があります。
サドルソープには「革の柔軟性を保つための保湿成分」が配合されているので、革が硬く割れやすい状態になってしまうのを防ぐことができます。つまり、洗い上がりの革の風合いをしっとり、ソフトなものにできるのです。
※サドルソープが、洗える素材は「スムースレザー(表革)」のみです。
サドルソープを使うタイミング
そんなサドルソープですが、
「どのくらいの頻度で使うもの?」
「どんなトラブルが起きたときに使える?」
と疑問を持つ方もいっらしゃると思います。
まず、サドルソープを毎回のお手入れで使う必要はありません。
サドルソープを使うのにオススメなタイミングは以下の3つ。
1 雨や水に濡れてシミができたとき(=雨ジミ)
2 革の表面に白い粉が噴いたとき(=塩浮き)
3 靴の型崩れがひどいとき
このような普段とは違うトラブルが起きたときこそ、サドルソープの出番です。
1 雨や水に濡れてシミができたとき(=雨ジミ)
まず、使うタイミングとしてオススメなのが「雨に濡れてシミができてしまったとき」。
こんなときは、
・シミになってしまった部分
・シミになっていない部分
の両方を洗うことで、シミが改善しやすくなります。
その理由は靴全体を均等に濡らすことで「湿り具合」が均等に揃い、
・シミになってしまった部分(=色の濃い部分)
・シミになっていない部分(=色の薄い部分)
これらの色味を揃えられるからです。
2 革の表面に白い粉が噴いたとき(=塩浮き)
次に、使うタイミングとしてオススメなのが「革の表面に白い粉が噴いたとき」。
人は、1日にコップ半分ほどの汗をかくとも言われています(※個人差があります)。
たくさん履いた革靴には、多量の「汗」、それによる「塩分」が染み込んでいる可能性があります。
革の中に浸透した「汗」は目には見えません。
しかし、雨に濡れると、水分が乾くのと同時に革の中に含まれていた「汗」が浮き出てくる場合があります。これが「塩浮き」と呼ばれる現象です。
この他にも革の中に溜まった「汗」は、
・靴のにおい
・革が汚れてくすんだ印象
の原因にもなりえます。
これらのトラブルを感じたらサドルソープを使うタイミングです。
3 靴の型崩れがひどいとき
最後に、使うタイミングとしてオススメなのが「靴の型崩れがひどいとき」。
長年履き続けた革靴は、
・歩くときのクセ
・脱ぎ履きによってかかる力
等の原因により、すこしずつ形が崩れてしまう場合もあります。
そんなときにサドルソープを使うと革の繊維がほぐれ、柔軟性がアップします。
この特性を活かし、靴を乾燥させる際にシューキーパーを入れておくことで、形を改善しやすくなります。
サドルソープで洗ったあとの革は、繊維がゆるみ、柔軟性があります。
その特性を活かして、
・靴の形にあったシューキーパーを入れる
・革靴を乾燥させる
この工程を加えることで、型崩れした革靴の形の改善効果があります。
サドルソープで洗うときに用意するもの
必要な道具をチェックして揃えておくと、「洗いたい」と思ったときに、すぐに始められます。事前に揃えておくと、便利です。
|洗うときに必要なケア用品|
・ M.MOWBRAY ステインリムーバー (革靴用水性クリーナー)
・ M.MOWBRAY リムーバークロス
・ M.MOWBRAY サドルソープ (皮革用石鹸)
・ M.MOWBRAY クリーニングスポンジ
・ M.MOWBRAY クリーニングブラシ
・ M.MOWBRAY モールドクリーナー (皮革用カビ除菌ミスト)
・ シューキーパー (靴の形にあったもの)
・ タオル
・ バケツ
サドルソープを使ったクリーニング
サドルソープを使ったクリーニングの手順をご紹介します。
1 革靴の汚れを落とす
リムーバークロス (布) に、ステインリムーバーを染み込ませ、靴の表面を拭きます。
「汚れ」「靴クリーム」を拭き取っておくと、|次の【2】の革靴を水で濡らす|の工程で、水が染み込みやすくなるため、とても大事な下準備となります。
2 革靴を水で濡らす
作業をするとき、大事な2つのポイントは、
1 革靴の表面のみ濡らす
靴の中は、接着剥がれの原因に繋がる可能性もありますので、内側を、洗ったり、水に漬けこむことはお控えください。
2 つま先やかかと部分も念入りに濡らす
つま先やかかと部分は、芯材が入っており、革に水が入りにくい箇所。
水が浸透するまで、繰り返してください。
この2点をおさえていただき、バケツなどに綺麗な水を溜めて、クリーニングスポンジに水を含ませたら、靴表面をムラなく、全体的に濡らします。
コツは、水を染み込ませたクリーニングスポンジを革に押し当てながら、水分を含ませまていくように作業すること。
革靴を全体的に濡らす作業が一番時間がかかりますが、シミや色ムラにならずに仕上がる大事な工程です。
濡れていない部分がなくなっているかを確認してから、次の工程に進みましょう。
3「サドルソープ」を泡立てる
クリーニングブラシをサドルソープの容器の中に入れて、ブラシを石鹸のうえで、円を描くように回していくと簡単に泡立ちます。
4 「サドルソープ」で靴を洗う
サドルソープの泡を、革靴の表面全体に行き渡るようにやさしく馴染ませ洗います。きめ細かな泡で汚れが浮きやすくなります。
5 泡と汚れを拭き取る
泡や革に残ったヌメリ感はしっかり洗い落としたくなりますよね…
でも実は、“泡を拭き取ったあとは、少しヌメリが残るくらいがちょうどよい”状態です。
サドルソープには保革成分が含まれているので、拭き取りすぎないことで、乾燥後に革がしっとり仕上がるのです。
このポイントを押さえていただき、「拭き取りる作業」に進みます。
・汚れを含んだ泡をクリーニングスポンジで拭き取る
・スポンジが汚れてきたら綺麗にし、繰り返す
・最後に、タオルを使って靴に残った水分を拭く
※作業前に、バケツの中の汚れた水は綺麗な水を溜め直してください。
6 除菌対策、乾燥方法
乾燥中のカビを防ぐため、皮革用の除菌ミスト「モールドクリーナー」を、靴の表・裏・内側に吹き付けます。
その後、「靴の形に合ったシューキーパー」を入れてから
・直射日光の当たらない
・風通しの良い場所
・靴のつま先を上げる姿勢 (靴の底も乾きやすい)
にて、乾燥させるのがおススメです。
約1日ほどかけて乾燥させます。
靴の内部までしっかりと乾燥しているか確認しましょう。
一部湿っている部分が残っていたら、引き続き乾燥するまで様子をみてください。
7 靴クリームを塗って、靴磨き
乾燥後は、革の艶感、発色をよくするために、靴クリーム「M.MOWBRAY シュークリームジャー」を使用してスムースレザーの靴磨きで仕上げます。
色褪せ部分などがある場合は、靴の色に近い靴クリームをお選びください。
詳しいスムースレザーのお手入れは、動画でご覧いただけます
すでに洗って綺麗な状態なので、「汚れ落とし」のステップは省いていただいて問題ありません。
動画 のSTEP5の「シュークリームジャーで栄養を与える」から参考にお試しください。
まとめ
今回は、「サドルソープ」の洗い方について詳しく解説いたしました!
靴を濡らす際は、しっかりと濡らしてあげることが大事なポイントです。
ゆっくり丁寧に、作業してみてください。
以下のケースのときには、
・濡れてシミができたとき
・革に「汗」が溜まったとき
・塩浮き
・靴の型崩れがひどいとき
長期間経ってしまうと、完全にはきれいにならない場合がありますので、早めに洗ってあげることが大切です。
「サドルソープ」で汗や汚れも綺麗に落としていただくと、あらためて気持ちよくお履きいただけます。
今回使用した「サドルソープ」含むクリーニングに必要なアイテムが揃った「クリーニングキット」もご用意しています。
M.MOWBRAY公式オンラインショップよりお買い求めいただけます。