その輝き、蘇ります!~鏡面の修復には〇〇を~


お祝いごとやフォーマルな場面など、装いに気合を入れたいときは、足元もビシっと決めたいですね。

ハイシャイン(鏡面磨き)は、つま先やカカトをワックスを用いて革の凹凸を埋めることで、鏡のように光らせるテクニックです。


ですが、しばらく履いているうちに鏡面に傷がついてしまったり、ホコリ落としのブラシによる跡が残ってしまうことがあります。
ハイシャインしていざ履くぞ!と思ったら、うっかりぶつけてしまいショック・・・というお話も耳にします。

そこで今回は、傷ついたハイシャインを修復する方法をご紹介します。


磨くのはこちらの靴。
3年程使用しているEdward Greenです。


ハイシャインしてから1カ月以上経過しており、履いていた時の傷やブラッシングの跡で光沢が失われています。


それでは、修復を行っていきます。今回使用するのはこちらのアイテムです。





まずはホコリ落とします。通常は馬毛ブラシでブラッシングしますが、鏡面にブラシ跡が残ってしまうことも。柔らかな山羊毛ブラシであれば、馬毛より鏡面へのダメージが少なくおすすめです。


次は指に巻いたポリッシングコットンに水を1~2滴たらします。


続いてミラーフィニッシャーを使います。優しく2~3回タッチするような感覚で、ごく少量を取ります。


初めに触る時は力を抜いて、赤線で書いたようなルートで、円を描くようにゆっくり馴染ませていきます。


円を描いて馴染ませたら、次は少しだけ圧力をかけながら、赤線のような縦横の動きで表面を平らに整えていきます。 ミラーフィニッシャーは溶かす性質と凹凸を埋める性質を併せ持っているので、細かな傷の修復に効果を発揮します。


磨き込んでいくとこの通り。
透明感のある、つるんとした輝きが蘇りました。
いかがでしたでしょうか。

ミラーフィニッシャーの特性を活かした、ハイシャインの手直し方法をご紹介しました。
ご自身でハイシャインをされる方には、ぜひお試しいただきたいです。

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【コードバン】イベントで人気だった2つのアイテム!【ハイシャイン】

先日 07.31(土)に開催した、
革靴に関するお悩みを解決するためのシューケア講習会イベント

「RTP(=R&D Teaching Program)」

当日は「M.MOWBRAY」をはじめ、いろいろな製品が使い放題ということから、
ちょっと珍しいアイテムの使用感・仕上がりを体験していただけました


その中でも、特に人気だったのがこちらの2アイテム。

画像左)シルキーレザーグローブ|税込3,080円
画像右)SANOHATA BRUSH × M.MOWBRAY 馬たてがみ|税込 4,950円


どちらも「コードバンケア」、「ハイシャイン」を行う際に使用する仕上げ用のアイテムです。
当日は、

「馬毛、豚毛、山羊毛は知ってるけど、馬たてがみの存在は知らなかった」
「(イベントで)使ってみて、コードバン用にすごく重宝することが分かった」

などの理由から気に入ってくださる方が多く、大人気でした。

今回のブログでは、そんなお客様に大人気の2つのアイテムを深堀りしていきます!


シルキーレザーグローブ



「シルキーレザーグローブ」は、クリームを塗り、ブラシを掛けた後に使用するアイテム。

グローブタイプゆえ、手の面積をまるごと使用できるため、
クロス(布)を指に巻いて乾拭きするよりも、早く仕上げることができます。

短靴はもちろん、ブーツ、バッグやライダースジャケットなど面積の広いアイテムも楽にお手入れができます。


イベントで人気だったのはなんといってもその「使い心地」。

一般的な乾拭き用のグローブとは異なり、「シルキーレザーグローブ」は

○ ボア面(白い部分)
○ 山羊のスエード面(黒、茶の部分)


2面使い

両面のそれぞれに肉厚な生地を使用しているため、
乾拭きをしているときの感触も心地よいものがあります。

もちろん、仕上がりも申し分ナシ。
「ボア面→スエード面」の順に乾拭きを行うことで、

○ 革表面に残ってしまった余分なクリーム
○ ブラッシング跡


をしっかりと除去できます。
当日は、特にブラッシング跡の残りやすい「コードバン」に人気のアイテムでした。

馬たてがみブラシ


「馬たてがみ」のブラシは、柔らかさが特徴。

通常の「馬毛」は馬の尾毛を採用していますが、
「馬たてがみ」はそんな尾毛よりもさらに柔らかく、「ハイシャイン」の仕上げなどに適している一本です。


中でもおすすめの使い方が、
「コードバンの光沢感をワンランクアップさせたいとき」に使う方法。

先ほどの「シルキーレザーグローブ」と組み合わせ、

①:ワックスを靴全体に薄塗り
②:「馬たてがみ」でブラッシング
③:「シルキーレザーグローブ」で乾拭き


この3つの工程でケアすることで、
適度にワックスが全体に散り、素材独特の光沢感を引き立たせることができます。

こちらのテクニックは過去にブログでもご紹介しているので、
手順が気になる方はぜひチェックしてみてください。



まとめ


いかがだったでしょうか?

どちらもすこし地味なアイテムではありますが、
いざ使用してみるとその器用さ、「かゆいところに手が届く!」という部分を実感していただけるかと思います。

公式オンラインショップでもご購入いただけますので、
気になった方はぜひチェックしてみてください!

鏡面磨き、リセットしてますか?

靴磨き人気を支える「鏡面磨き(=ハイシャイン)」

・ロウ分の塊であるワックス
・水


を使い、つま先が鏡のようにぴかぴかと光ることから呼ばれるこの磨き方。

じっくりと時間をかけて作業できることから、
「鏡面磨きにチャレンジしたい!」という方も増え、
我々も日々多くのお問い合わせをいただいています。



そんな、華やかさのある「鏡面磨き」ですが、
定期的にリセットし、汚れ同様ワックスを落としてあげる必要があります。

今回のブログでは、

・鏡面磨きのワックスを落とす理由
・鏡面磨きのワックスの落とし方、おすすめのアイテム


について解説していきます。

ワックスを落とす理由



定期的にワックスを落とすのをおすすめしている理由は、「皮革を長持ちさせる」ためです。

< ロウ分 > のかたまりであるワックスは、水を弾きやすい性質を持ちます。
これには靴を水から守ってくれるメリットもあります。

しかし、落とさないまま、放置したままでいると、
このワックスの層がお手入れの効果を下げてしまうこともあるんです。



スムースレザー(表革)のお手入れに欠かせない、
栄養補給の役割を持つ< 乳化性クリーム >は

○水
○油脂


が主な成分。
ワックスの層が残ったままだと、このクリームの浸透を妨げる原因になってしまうのです。

ですので、クリームの栄養分を皮革に与えるためにも、
鏡面磨きをリセット=ワックスを落とすことが必要なのです。


鏡面磨きを手早く落とす方法



そんな鏡面磨きですが、「クリームと違って簡単に落とせない」というお声も多くいただきます。

確かに、景色を反射するくらいまで光るよう重ね続けたワックスは、
通常の水性クリーナーでは落としづらいかもしれません。

そこで、おすすめなのが専用アイテムである、「M.MOWBRAY ワックスクリーナー」
ロウ分のかたまりであるワックスでも、2,3回さっと拭くだけで落とせます。

ワックスクリーナーの使い方


「M.MOWBRAY リムーバークロス」に、「ワックスクリーナー」を画像程度の量とります。
指先がすこし湿るくらいの量をとれば大丈夫です。


鏡面磨きを施しているところに布を当て、優しく撫でるように指を動かします。
「ワックスクリーナー」の成分でロウ分を溶かしながら、古いワックスを落とします。

1回で落ちない場合は、布の面をきれいな部分に変え、2,3回ほど繰り返します。

Before/After


画像のように、毛穴を埋めていたワックスを除去し、
皮革本来のざらっとした毛穴の表情が見えるようになりました。

この状態で放置してしまうと、革表面の乾燥が進んでしまうので、
通常のお手入れを行っていただくのがおすすめです。


大切な一足を長く、キレイに履くためにも、ワックス層を定期的に除去するのは欠かせません。
「ワックスクリーナー」であれば簡単に鏡面をリセットできるので、気になった方はぜひお試しください!

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プロに聞く!「M.MOWBRAY ハイシャインワックス」使用感レビュー

 2021年4月末にリニューアルリリースした「M.MOWBRAY ハイシャインワックス」。
 前身となる「M.MOWBRAY ハイシャインポリッシュ」を知っている方には、期待大の新製品だったのではないでしょうか。
 今回は、その「M.MOWBRAY ハイシャインワックス」の使用感レビューを、対談形式で語っていただきました。

シューケア用品といえば「あの」場所

 日用雑貨から、DIY用品まで。
実用性の高いものから趣味性の高いものまで幅広く取り揃え、深い懐で消費者のニーズを叶えてくれる「東急ハンズ」。
 「探しものの駆け込み寺」、「ここで見つからないものはない」と言われる東急ハンズに、「店主」と呼ばれるその道のプロフェッショナルがいることはご存知でしょうか。
 対談に参加していただいたのは、東急ハンズ新宿店6F シューケア用品売場「輝く足元商店」店主の「藤田 康雄」さん、同売場に常駐している靴磨きのプロフェッショナルの「高木 俊郎」さん。
 ユーザーとして、そして靴磨き・販売のプロフェッショナルとしての視点から見た、「M.MOWBRAY ハイシャインワックス」はどのように映るのでしょうか。


「M.MOWBRAY ハイシャインワックス」とは

「M.MOWBRAY ハイシャインワックス」全6色 ¥990(税込)

 靴磨きに関心を持つ方であれば、1度は挑戦したことがある「ハイシャイン(鏡面磨き)」。文字通り、鏡のように景色が映りこむほど綺麗に仕上げるためには、高度な技術と根気強さが要されます。
 「M.MOWBRAY ハイシャインワックス」は、ハイシャインを従来よりも「早く・綺麗に・簡単に」仕上げるために開発された新商品です。
 これからハイシャインに挑戦してみようと思っている方、使用感が気になっていた方は、ぜひこの対談記事を最後までお読みください。


-まず、藤田さんのご経歴をお聞かせいただけますか。

東急ハンズ新宿店6Fシューケア売場「輝く足元商店」店主 藤田康雄さん

藤田さん(以下、藤)

 東急ハンズに入社したのは1983年の頃です。当時は23歳で、服と靴にしかお金を使っていませんでした。それこそ色々な服や靴を手に入れては身に着けてきましたが、当時はそこまで手入れにのめり込んではいませんでした。
 手入れに目覚めたきっかけは、やはりシューケア用品売場を担当することになってからです。東急ハンズ渋谷店のシューケア売場のマネージャーを務めることをきっかけに、そこから経験を積んで今は新宿店シューケア売場の「店主」に就かせてもらっています。


-「店主」という肩書を持つ方は、どの店舗にもいらっしゃるというわけではないんですね。


(藤)
 今はこの新宿店と梅田店と博多店の3店舗だけですね。
 「店主」という制度が始まったのは新宿店が最初で、梅田店と博多店は2021年の春から新しく始まったばかりです。今後は他店にも拡大する予定ですが、今はこの3店舗だけでの取り組みです。(※取材を行った2021年6月時点での店舗数)
もっと増やしてもいいとは思いますが、「店主」という肩書が付く以上、経験を積んだスタッフにしか任せられません。全店舗で一斉にスタートするのは、現実的には難しいです。
 また、僕みたいなキャラクター性のあるスタッフに接客されることで、お客様に「相談しやすい」、「話の聞き甲斐がある」と感じていただけると、嬉しいですね。


-「店主制度」がある店舗は、他の店舗よりも「接客の距離感」や、「接客される体験」に力を入れているということですね。もし、藤田さんが不在の時は、どなたにご相談すればいいですか?


(藤)
 日本皮革製品メンテナンス協会認定のシューケアマイスターの資格を持っている女性スタッフが2人います。また、常駐してくれている高木さんもシューケアマイスターの資格を持っています。
 この売場で取り扱っている商品のことから靴の手入れのことまで、一通り答えられる知識があるので、ご安心ください。


シューケアマイスターの実演スペース。背面には協会の認定証が並ぶ。



-では次に、高木さんの経歴についてお聞かせいただけますか?

シューケアマイスター 高木俊郎さん


-高木俊郎(以下、高)
 私は実家が靴屋だったので、幼少の頃から靴に囲まれた環境で育ちました。本格的に靴に目覚めたのは高校生の頃くらいでしょうか。地元がアメ横周辺だったので、そこで「バス(G.H.BASS)」のローファーを買って、通学の時も遊びに行く時も履いていたことを憶えています。
 それから靴メーカーに就職し、百貨店の販売員として接客や靴の知識を身に付けました。その後、常に身近にあったシューケアブランド「M.MOWBRAY」を取り扱う会社に入社しました。
 「シューケアマイスター」の資格を取ったのは、新宿ハンズの店頭に立ってからです。様々な会社・ブランドのシューケア用品に触れるきっかけが増え、それに応じてお客様からの相談の種類・難度もどんどん上がってきたため、それらのお問い合わせに自信をもって答えられるように資格勉強に励みました。


(藤)
新宿という立地も関係しているのかもしれませんね。特に新宿店は髙島屋さんと隣接しているからか、これから靴や革小物の手入れをしてみたいという方から靴や靴磨きマニアみたいな方まで、幅広い層のお客様がいらっしゃいます。


(高)
私も本当にそう思います。
そういうお客様方からの要望に応える意味でも、お客様から安心していただける意味でも、専門知識・技能をもっていることを可視化できる「シューケアマイスター資格」の必要性は強く感じました。


(藤)
有り難いことに、リピーターになってくれるお客様も多いですからね。一人でも多くのお客様に、またご来店いただけるように接客するのが永遠のテーマというか、課題だと思っています。

「また来たい」と思ってもらえる接客をするのが、永遠の課題


-では、本題の「M.MOWBRAY ハイシャインワックス」について使用感などをお聞かせください。


(藤) 
 実は、「M.MOWBRAY ハイシャインワックス」の前身にあたる「ハイシャインポリッシュ(従来品)」は、あんまり光らないから店頭での展開を辞めてしまったんです。


(高)
 確かに、従来品を使いこなすのは正直難しかったですね。それこそ一生懸命頑張って磨いて、やっと少し光るくらいでした。
 ただ、当時はワックスの種類が今ほど多く販売されてなかったので、僕もこれをずっと使っていましたね。


(藤)
 そういう経緯もあって、特にワックスに限って言えば、M.MOWBRAY製品はあんまり使っていませんでした。
 でも、だからこそ「リニューアルする」って話を聞いた時はすごく嬉しかったし、期待もしていましたね。


(高)
  確かに、今はこういった新しいワックスが色んなメーカーから続々と出ています。世の中的にも、ワックスの需要が広がってきているのは事実ですね。そのニーズの高まりに合わせたタイミングでリニューアル製品が出たというのは、販売する立場としても勧めやすいと思いました。



従来品は正直、あんまり…。だからこそ、リニューアルには期待大。


-次ページではいよいよ使用感についてレビューをしていただきます。



-では、実際に使用してみての感想はいかがでしょうか。

(藤)
 実際にサンプルを使ってみたら、やっぱり良い意味で「今までとかなり違うな」と感じました。
 カルナバとビーズワックスと、キャンデリラ。それぞれ異なる硬さや特性を持つ3つのワックスの良いところが、バランス良く凝縮されていると思います。
 特に、使ってみて感じた一番の特長は「凹凸が早く埋まる」こと。
 鏡面磨きを仕上げるためには「下地(ベース)作り」と「仕上げ(トップコート)」の2つの作業が必要ですが、「M.MOWBRAY ハイシャインワックス」はその2役が1つで出来ます。
 より早く鏡面磨きを仕上げるために、「下地作り専用ワックス」と「仕上げ専用ワックス」が別々で製品化されることもありますが、「ハイシャインワックス」はどちらの作業もバランス良く仕上げることができます。
 これは結構すごいことだと思いますね。


(高)
 このワックスを開発するにあたって、「靴磨き選手権」2019年度準優勝のシューシャイナーである「岡嶋 翔太」さん、そして同大会のカラーリング部門で優勝されたテクニカルアドバイザーの「斗谷 諒」さんの2人のプロフェッショナルに監修をしてもらっています。
 この商品スペックの高さには、この2名のプロならではの視点が盛り込まれていることを感じますね。


(藤)
 プロが監修していますが、決して「プロ用」として作られているわけではないのも、製品のコンセプトとして良いところですね。ビギナーが使っても、セミプロくらいの仕上がりまで持っていくことができると思います。
 はっきりと分かるくらい「使いやすくなったな」というのが、リニューアルしたものを使ってみて感じた最大のポイントです。

(高)
ただ、「使いやすいワックス」と一口に言っても、実際には使う人によって好みの硬さ・粘りが大きく分かれますよね。「M.MOWBRAY ハイシャインワックス」の使用感や、製品の癖などはどうでしょうか。


(藤)
 ワックスそのものの硬さは「硬くもなく、緩すぎることもない」でしょうか。
 塗り広げる際には指に引っ掛かりを感じることがありますが、これはワックスが革に定着してくれているサインです。
 また、定着するのが早いため、ワックスの層を厚く重ねなくても、しっかりとした被膜をつくることができます。そのおかげか、最後の水研ぎ (※)をする時に指のストロークを早くしても、重ねたワックスの層が崩れにくいのも嬉しいですね。

(※)水研ぎ…ハイシャインの最後の仕上げに、布に少量の水を含ませて曇りを切る作業。


(藤)
 あと、普通は鏡面が擦れて削れてしまった時のリカバリーが難しいんですが、ハイシャインワックスはけっこう簡単に凹凸を埋めることができました。これも定着力の高さがあってこその特長なんだと思います。簡単に鏡面を修復できるのは重宝しますね。


(高)
 確かに、スレの上から塗ってブラッシングするだけでも、ある程度ぼかすことができますね。他のワックスだとツヤが出るだけなのですが、「M.MOWBRAY ハイシャインワックス」は凹凸がある程度まで埋まるため、よりスレが目立たなくなる感じがあります。


(藤)
 もちろん、鏡面が割れてしまった場合、本当はワックスクリーナーを使ってリセットする方が良いんですけどね。
 余談ですが、僕はこのワックスクリーナーもお気に入りです。古いワックスがしっかりと落ちますし、擦る回数が少なく済むので革へのダメージも、手間も最小限にすることができます。

(藤田店主もお気に入り。「M.MOWBRAY ワックスクリーナー」¥1,320(税込)


 ただ、これを使ってリセットするほど鏡面の状態が悪くなっていないのであれば、ハイシャインワックスだけで簡単な補修をすることもあります。特に、店頭でディスプレイとして飾っている、靴の鏡面の手直しをする時には重宝しています。
 簡単にリカバリーできるので、なんだか鏡面磨きが上手くなったような気にすらなりますね。

店頭ディスプレイ用の靴は、どれもピカピカ



(高)
 確かに、鏡面磨きが簡単に仕上げられると上手くなった気がしますよね。それが道具のおかげだとしても、良い気分になるはずです。


(藤)
 そういう意味では、自分の腕が上がったような気にしてくれるワックスですね。簡単な作業でも、早くツヤが出ると嬉しいじゃないですか。



「早くツヤがでるようになると、腕が上がった気がしますね。」



(高)
 鏡面磨き自体が時間のかかるものですからね。やっぱり、光らないとうんざりしてきちゃいますし、面倒くさいなって意識が根付いてしまいます。そうなってしまうと鏡面磨きだけじゃなくて、「靴のお手入れ」そのものを敬遠してしまうことに繋がりかねないと思います。


(藤)
 作業に時間がかかればかかるほど、確実にストレスは溜まる一方。反対に、早く光らせられるようになると、「お、上手くなってきてるじゃん」って自分で思えるようになると思います。そうなると単純に嬉しいし、「靴磨き」という作業が楽しくなりますよね。


(高)
 もっと技術を突き詰めてみよう、色んな靴で鏡面磨きに挑戦しようって思うきっかけにもなると思います。


(藤)
 あとは、単純に「安い」のが良いですね。前に発売された「M.MOWBRAY ハイシャインプライマー」を、ちょっと高いと感じてしまったということもありますが。


(高)
「M.MOWBRAYハイシャインワックス」は税込で990円ですね。これだけのこだわりとスペックを詰め込んで、この価格帯を実現できているのは非常にパフォーマンスが高いと思います。


(藤)
 あとは、使っていく上でドライワックスになった時にどうなるかも気になります。こだわりの強いお客様だと、ワックスの蓋をあえて開けっ放しにしておいて、乾かしてから使うって方もいますから。その使い方をした時にどう化けるか、というところは、これからの楽しみでもありますね。


(高)
 公式で推奨しているのは「意図的に乾かすことはせず、できるだけ新品の状態に近いまま使い切る」という方法なんですけどね。買ってすぐに使っても、100%使いやすい状態で作業できることを考えています。
 もちろん、ワックスの硬さや使用感には好みがありますから、乾燥させて使っても問題はありません。製品のスペックと同じくらい、使いやすさという要素も重要ですから。


(藤)
 あとは色のバリエーションがもう少し増えるといいですね。特にネイビーは欲しいです。紺というよりは、青に近いような明るいネイビーがあると最高だと思いました。


(高)
 明るいネイビーは作るのが難しいらしいですね。どうしても色が濃くなって、黒っぽい発色になってしまうそうです。



「スペックが優秀な分、これからに期待したいところもある」

(藤)
 ちょっと前までネイビー系の色味の靴は珍しかったのですが、今はもうほぼ定番化していますよね。そういう色味の靴にも対応できるようになってくると、より広い層の方にも使ってもらいやすくなるんじゃないかと思います。


(高)
 確かに、男性の方でもネイビーやバーガンディー、グレーなどの革靴をスーツに合わせる方も多く見かけるようになりました。そういった色味の靴は今までだと婦人靴での展開が主流でしたが、トレンドと共に「定番」も変化しているということですね。


(藤)
 鏡面磨きにいたっては、今や女性のお客様からも需要が増えてきました。今までは、失敗しにくい柔らかいワックスを勧めていましたが、このハイシャインワックスは本当にちょうどいい使用感だと思います。量と力加減のコツが伝えやすいですし、教えられる側も感覚が掴みやすいと思います。
 言い換えれば、光らせるためのコツが掴みやすいワックスと言えるんじゃないでしょうか。これは使うだけではなくて、接客して販売してみないと分からなかった「良いところ」でもあります。
 そういった、接客を通じてでないと得られない「お客様の声」が僕らにとって最大のヒントであり、教科書でもあります。商品化する時のネタにもなるし、接客に活かせる武器にもなると思っています。






(藤)
 また、お客様目線という視点だと、このアテンションシールも良いですね。「M.MOWBRAY」の製品はこの辺をけっこう頑張っていて、これだけ多くの商品を販売している売り場でも、製品が埋もれないようにお客様の目を引くアイディアを盛り込んでいる印象が強いですね。

このアテンションシール良いですね。


帯状アテンションシール。目を引くような工夫を凝らしてある。


(藤)
 M.MOWBRAYは今後もきっと色々と新しい商品を出してくれると思いますが、販売する僕らや、実際に使用されるお客様を常に期待させてくれるブランドですね。
 今回リニューアルした「M.MOWBRAY ハイシャインワックス」も、その期待を裏切らない「良い商品」として仕上がっていると思います。ぜひ試してほしいですね。


(高)
 「ハイシャインをやってみたい」という方も、店頭にお越しくだされば実際に目の前で磨きながらご説明いたします。ぜひお越しください。



店頭でお待ちしております。



- インタビュー内容は以上です。藤田さん、高木さん、お忙しい中ご協力くださりありがとうございました。

 東急ハンズ新宿店は、他を圧倒するほど豊富なシューケア用品を取り揃えており、そのすべての商品にバイヤーのこだわりや、長年使い続けているユーザーの愛着が込められています。
 初めて靴の手入れをしてみたいという方から、自分で高度な仕上げに挑戦してみたいという方まで、皆さまの探しているものが必ず見つかるはず。
 ぜひ一度、東急ハンズ新宿店6Fシューケア売場「輝く足元商店」に足を運んでみてはいかがでしょうか。


【登場した商品】

M.MOWBRAY ハイシャインワックス



・全6色

・¥990(税込)

商品ページはこちらから

M.MOWBRAY ワックスクリーナー


・100㎖

・¥1,320(税込)

商品ページはこちらから


<ギャラリー>


ハイシャインワックスとハイシャインプライマーを併用した鏡面磨きの方法

前回、前々回と2回に渡って紹介してきた「M.MOWBRAY ハイシャインワックス」の魅力や使い方。

「M.MOWBRAY ハイシャインワックス」は、つま先を光らせる鏡面磨きに使いやすくするため、従来品の「M.MOWBRAY ハイシャインポリッシュ」を改良して作られました。





今回は、前回のハイシャインワックスの使い方の応用編。

鏡面磨きを行う上では欠かせない下地(=ベース)作り。
その下地の定着力、そして仕上げまでの速さを向上させる、「M.MOWBRAY ハイシャインプライマー」を併用した鏡面磨きの方法を解説いたします!

使用するアイテム



・M.MOWBRAYハイシャインプライマー
・M.MOWBRAYハイシャインワックス
・ポリッシングコットン(又はポリッシングコットン ミニ)
・水

前回同様、今回も通常のケアを終えた後の靴を使用して、鏡面磨きの方法を解説していきます。
(スムースレザーのケアについては、コチラ からご覧いただけます。)

手順1 下地作り



つま先やかかとなど、芯材(靴のシルエットを保持している硬いパーツ)の入っている部分に、
画像程度のハイシャインプライマーを指(又はポリッシングコットン)で塗り込みます。

一度に取る量は少量ですが、伸びと定着力に優れているプライマーは、しっかりと役割を果たします。
指圧をするように、すこしだけ力を強めて押し込むように塗るのがポイント。
「キュッ」と音が鳴ると、しっかり塗り込めてるはずです。



続けて、前回の使用方法でも解説したように、ハイシャインワックスを少量とり、片足ずつ交互に塗り込みます。



上に乗せるワックスの定着を強くするプライマーと、
硬く、毛穴を埋めやすいロウ分を配合しているハイシャインワックス。

2種類を組み合わせて使用することで、下地作りの段階でもしっかりと光沢感が出ます。

手順2 層の塗り重ね



2種類のワックスを使って両足の下地を整えたら、さらにワックスを重ねてツヤを出していきます。

まずはポリッシングコットンを、シワが入らないようにピンと張った状態で指に巻きつけます。
さらに水を布に含ませ、水気を絞って軽く湿らせた状態にします。



その後、ハイシャインワックス→ハイシャインプライマー→ハイシャインワックスの順で、
2種類のワックスを交互に、布へ少量ずつとります。



この状態で、手順1で作った下地に円を描くようにワックスを優しく塗りこみ、毛穴を埋めながら層を重ねます。

ハイシャインプライマーをハイシャインワックスで挟むように布にとることで、
定着力を高めた状態で層を重ねやすく、仕上がりまでの時間を短縮しやすくなります。

また、ハイシャインプライマーには「早く毛穴を埋める」「ワックスの定着力を高める」以外にも、「革に必要以上の負担をかけない」という役割があります。
ハイシャインプライマーと組み合わせて使用することで、さらに鏡面磨きによる革への負担を軽減しやすくなります。
(ハイシャインプライマーの開発秘話、役割に関する記事は コチラ



前回同様、指に引っかかりを感じる場合は水を一滴垂らして滑りの良さを保ちます。

手順3 仕上げ



両足が好みの光沢感に近づいたら、
クロスを綺麗な面に変え、手順2同様に水に濡らし、ハイシャインワックス単体を少量とります。

つま先に水を一滴垂らし、縦方向に指を手早く動かします。
前回同様、うろこ状の曇りが取れてクロスの拭き跡が目立ちづらくなったら、作業は完了です!

Before/After

硬度があり、毛穴を埋めやすくなったハイシャインワックスに加えて
定着力を高めたプライマーを併用することで、短い時間でしっかりとつま先を光らせることができました。

(左)ハイシャインワックスのみ
(右)ハイシャインワックス+ハイシャインプライマー


どちらも同じ作業時間で仕上げましたが、ハイシャインプライマーを併用した方はより強い光沢感を出すことができました。

もちろん、ハイシャインプライマーを使用することで「ハイシャインそのものが失敗しにくくなる」ため、慣れていない方や初めて挑戦する方でも、併用することをオススメします。


前回、前々回の2回の記事と合わせて、ぜひ参考にしてみてください!






<今回のBLOGで使用した商品>

・M.MOWBRAYハイシャインプライマー
・M.MOWBRAYハイシャインワックス
・ポリッシングコットン(又はポリッシングコットン ミニ)

【速報】M.MOWBRAYのワックスが生まれ変わります!



「M.MOWBRAY ハイシャインポリッシュ」

M.MOWBRAYのロングセラーであるこの商品が、2021年 春 にリニューアルいたします。


ワックスの伸びの良さ、使いやすさはもちろんのこと、
<鏡面磨き> にも使いやすいよう、様々な改良を加えています。
(※画像は開発中のサンプルです。)

商品の詳細や開発の背景、実際の使用方法などに関しては
4月上旬頃より情報を公開していきますので、ご期待ください。

「情報解禁まで待てない!」

という方は、
上記2店舗にて、ハイシャインワックスの先行体験&受注会を行います!

謎に包まれたハイシャインワックスのリニューアル具合を、
最速で体験できる、そしてその場で受注することのできるイベントですので、
気になる方はぜひ足をお運びくださいませ。

(※受注頂いた商品は、発売日より順次お渡しいたします。)

最新情報をいち早く手に入れたいという方は、
M.MOWBRAY公式HPならびに
公式Twitter/Instagramをぜひフォローしてください!

・M.MOWBRAY公式HP
・M.MOWBRAY公式Twitter

・M.MOWBRAY公式Instagram

ハイシャインワックスの先行体験/受注会イベント
に関して気になるという方は、
各イベントごと、下記アカウントまでお問い合わせください!

ハイシャイン道場


・開催日:2021年3月20日(土・祝)
・開催場所:横浜高島屋 6階 紳士靴売場
・工房直通電話番号:045-620-9595
・Instagram:@yokohama.shoecare
・Twitter: @Yokohamacare
(※先行体験をご利用頂けるのは、イベント参加者の方のみとなります。)

ハイシャインワックス 先行体験 & 受注会


・開催日:2021年3月21日(日)
・開催場所:玉川髙島屋 本館4階 紳士靴売場内
・直通電話番号:03-6447-9177
・Instagram:@futako.shoecare
・Twitter :@FutakoShoecare

【ハイシャインプライマー特集記事6種】ハイシャイン(鏡面磨き)でお悩みの方へ

 M.MOWBRAYブランドより2020年10月30日に「M.MOWBRAY ハイシャインプライマー」がリリースされました。

「誰でも」「革に負担をかけず」「世界最速で」「美しく仕上げることができる」

この4つの思いが込めて開発されたハイシャインプライマーはリリース以降、イベントなどを通じて多くの方々から反響を頂いています。

 

 ハイシャインとは?


ハイシャイン(鏡面磨き、ミラーシャインとも)とは、
「ワックス」と呼ばれるツヤ出し専用のアイテムを使って革の表面に層を作ることで、凹凸を均して鏡のように光を反射させる仕上げ方です。

靴のつま先、もしくはかかとにワックスの層を重ねていくことで奥行きのある仕上がりと表情を作り出します。

革の表面が動いてしまうと乗せたワックスの層が割れてしまうため、一般的には歩行時に曲がることが少なく、かつ芯材が入っているつま先・かかと部分にのみ施します。

使用するアイテム



・M.MOWBRAYハイシャインプライマー
・M.MOWBRAYハイシャインワックス
・ポリッシングコットン(又はポリッシングコットン ミニ)
・水


そこで改めて、

・ハイシャイン(鏡面仕上げ)にチャレンジしようとする方

・ハイシャインプライマーを購入してこれから使い始める方

・まだ上手く使いこなせない方 etc…

こういった方々にこの記事を見ればすっきりとお悩みが解決できるよう、ハイシャインプライマーについて取り上げられた特集記事の全6種をまとめました。

ハイシャインプライマーにご興味のある方、ハイシャイン(鏡面仕上げ)に悩む方はぜひ下記をご活用ください。

 


【ハイシャインプライマー特集①】注目の「ハイシャインプライマー」とは

・ハイシャインプライマーとは一体何か知りたい

・ハイシャインプライマーに興味がある

https://m-mowbray.com/blog/primer-pre1/


【ハイシャインプライマー特集②】「ハイシャインプライマー」その使用感は?

・ハイシャインプライマーの使用感が気になる

・ハイシャインプライマの購入前に事前リサーチしたい

https://m-mowbray.com/blog/primer-pre2/


【ハイシャインプライマー特集③】「ハイシャインプライマー」を完璧に使いこなすために

・ハイシャインプライマーを買ってみたけど使い方がわからない

・ハイシャインプライマーの使い方を確認したい

https://m-mowbray.com/blog/primer-pre3/


【ハイシャインプライマー特集④】開発者直伝、M.MOWBRAY ハイシャインプライマーを用いた鏡面の仕上げ方

・ハイシャインプライマーを使って、より早くハイシャイン(鏡面磨き)を極めたい

・開発者直伝の仕上げ方を知りたい

https://m-mowbray.com/blog/hpr01/


【ハイシャインプライマー特集⑤】「ハイシャインプライマーで失敗した!」そんなときの対策方法4選

・ハイシャインプライマーがうまく使いこなせない

・白くなってしまう、ムラが出来てしまう、ホコリがついてしまった、曇りがなかなかとれない…などハイシャインに悩んでいる

https://m-mowbray.com/blog/hpr02/


【ハイシャインプライマー特集⑥】キズがついたハイシャイン(鏡面磨き)を復活させる方法

・ハイシャイン(鏡面磨き)がうまくできたけど、履いているうちに擦れてしまった

・使用してできたハイシャインの擦れやくもりを改善したい

・ハイシャイン(鏡面磨き)の手直し方法を知りたい

https://m-mowbray.com/blog/hpr03/


 

 


M.MOWBRAY ハイシャインプライマーは好評発売中です!


<今回のBLOGで使用した商品>

・M.MOWBRAYハイシャインプライマー
・M.MOWBRAYハイシャインワックス
・ポリッシングコットン(又はポリッシングコットン ミニ)

【ハイシャインプライマー特集⑥】キズがついたハイシャイン(鏡面磨き)を復活させる方法

ハイシャイン(鏡面磨き)レクチャーイベント、「ハイシャイン道場」が横浜店(横浜高島屋6階 紳士靴売場内シューケア工房)で開催され、開催後も連日お問い合わせを多くいただいている「ハイシャイン(=鏡面磨き)」について。

※2020年11月21日(土)に開催済

  
コツを掴み、仕上げるまでも大変ですが、仕上げてからもまた一難。
ピカピカの鏡面はスレやキズが目立ちやすくとても気になります。

 

 
そこで、今回はお手軽に鏡面を復活させる方法をご紹介いたします。

 

手順1:ホコリ落とし

M.MOWBRAY×SANOHATA BRUSH 手植え 山羊毛ブラシ ¥17,000(税別)

 
まずは、鏡面を作り直す上での失敗を避けるために、ホコリやチリを払っておきます。鏡面を荒らしたり、ブラシによる凹凸を作らないために、山羊の毛で作られた柔らかいブラシでブラッシングをしていきます。
<M.MOWBRAY×SANOHATA BRUSH 手植え>シリーズは、ひとつひとつが職人の手作業によって作られている刷子です。

細く柔らかな山羊の毛は抜けやすいですが、手間をかけて手植えという製法をとることで、抜けづらく丈夫な仕様にすることができます。

 

手順2:キズによる凹凸を均す

人によって肌に合わない可能性がございます。肌が弱い方は素手で塗るのはお控えください。

M.MOWBRAY ハイシャインプライマー ¥2,500(税別)
ホコリを除去したら、ぶつけたり、擦れたりして、鏡面にできてしまったキズや凹凸を慣らしていきます。
定着力、凹凸を埋める力に秀でているハイシャインプライマーを使用することで、多少のスレや凹みであれば容易に埋めることができます。

 


プライマーを指に少量とり、塗り込んでいきます。
ワックスをとってから一番最初に指を置いた場所は、ワックスが最も乗りやすいです。

 
「指にとったワックスは凹凸を一番埋めたいところに置く」
 

を意識しながら指を動かすと、非常に効果的です。

 

手順3:鏡面を整える

M.MOWBRAY PRESTIGIO トラディショナルワックス ¥1,500(税別)
指塗りで、ある程度均一になったら次は鏡面を元どおりに近づけるために仕上げます。

基本の手順は通常のハイシャイン(鏡面磨き)の方法と同様です。クロスを指に巻いて、水で湿らせ、柔らかいワックスをとり、薄く、優しく重ねていきます。

 
ある程度鏡面の膜ができて、指がスルスルと動くようになったら、”すこしだけ力を入れて”ワックスを押し込み、キズによる凹凸を埋めるように意識すると、
より均一に、綺麗な鏡面を復活させやすいです。

 

手順4:仕上げ

クロスを綺麗な面に変え、適度に水気を切って湿らせた状態にしたら、「触れているか、触れていないか」くらいの圧力で、縦方向に指を手早く動かし、仕上げて完了です。

 

 

 

最後に

プライマーの強い定着力を応用した仕上げ直し。
この方法を使えばある程度のスレ、凹みであれば鏡面を復活できます。
しかし、リカバリーできる範囲にも当然限界があります。
そのため今回紹介した方法はあくまでも”応急処置”的なテクニックになります。
 

M.MOWBRAY ワックスクリーナー ¥ 1,200(税別)

 
また、継ぎ足し続けた鏡面が革にとって悪影響となってしまう場合もあります。
塗り重ねたワックスを手早く落とすためのワックスクリーナーを使い、最低でも半年に一度は、鏡面をリセットし、クリームによる栄養補給も行なってあげてください。

 

<今回の使用した商品>

(左)M.MOWBRAY×SANOHATA BRUSH 手植え 山羊毛ブラシ ¥17,000(税別)
(中左)M.MOWBRAY ハイシャインプライマー ¥2,500(税別)
(中右)M.MOWBRAY PRESTIGIO トラディショナルワックス ¥1,500(税別)
(中左)M.MOWBRAY ワックスクリーナー ¥ 1,200(税別)

【ハイシャインプライマー特集⑤】「ハイシャインプライマーで失敗した!」そんなときの対策方法4選

ハイシャイン(鏡面磨き)レクチャーイベント、「ハイシャイン道場」が横浜店(横浜高島屋6階 紳士靴売場内シューケア工房)で開催されました
主に初心者の方をターゲットとし、近頃シューケア業界でも話題の”ハイシャイン(=鏡面磨き)” にフォーカスをあてたイベント。

※2020年11月21日(土)に開催済

 
最初は多少苦戦していた方も、ご覧の通りバッチリと光っておりました。
そんな中、このイベントでも体験した皆様が唸っていたのがこちらのアイテム。

 

M.MOWBRAY ハイシャインプライマー ¥2,500(税別)


既にご存知の方も多いかもしれません。
ハイシャインをする上で必要な”ベース作り”をサポートする、M.MOWBRAYの新アイテムです。
「仕上げまでのタイムが早くなった」と、ご好評をいただいておりますが、「失敗してしまった」というお声もちらほらいただきます。
そこで今回は、失敗してしまった場合の対策を4つお伝えいたします。
 

失敗その1:白化

塗ったワックスが白く粉っぽい状態になり、鏡面がガサガサとしてしまう。
そんなときは、

 
○水の量
○ワックスの量

 
これらが多すぎる、または少なすぎるかもしれません。
特に、定着が強いプライマーは、水をつけ過ぎると、白く固まる場合もあります。

 

 白化への対策 ▶ 水気をしっかり切る

 

クロスに水をとったら、
別の綺麗なクロスを使用してしっかりと水気を切ることが大切です。
水分はあくまでも滑りを良くするための潤滑油。
クロスの面は最低限湿っている状態が理想的です。

 

失敗その2:ムラ

 

「光ってる場所と、光ってない場所のムラがある」
こんな場合は、”最初のベース作り” に原因がある場合が多いです。

 

ムラへの対策 ▶ 放射線状に塗り切る

下地の段階でのムラは、仕上がりにも影響します。
ベースを作る際は、ワックスをとった指を一番光らせたい場所に置き、
つま先からかかとへ、放射線状に動かすとムラも出にくいです。
「大量を一度に」ではなく「少量を何度かに分けて」塗り、一度とったワックスが無くなるまで、次のワックスを取らないのも大切なポイントです。※人によって肌に合わない可能性がございます。肌が弱い方は素手で塗るのはお控えください。

 

失敗その3:ホコリ

 

「せっかく作った鏡面に、繊維が入ってしまった・・・」
糸くずやクロスの繊維など、 細かなものが入ると、その存在はとても気になってしまうもの。しかし、意外と簡単に解決する場合もあります

 

ホコリへの対策▶指塗り、ブラッシング

 

プライマーを指(またはクロス)で塗り、ベースを作る際にホコリが入ってしまったときは、M.MOWBRAY PRESTIGIO トラディショナルワックス などを薄く、少しだけ力を込めて塗りこんでください。
ベースを崩さず、入り込んだ繊維をうまく除去しやすいです。指塗りが難しい場合は、豚毛、馬毛ブラシでブラッシングしてホコリをかき出し、再度ハイシャインプライマーを塗り直すのもおすすめです。

 

失敗その4:曇り

 

「うろこ状のモヤが取れない」
「毛穴が埋まっても、そこから先まで行けない」
そんな時は鏡面の状態まであと一歩。うろこ状のモヤは靴がピカッと光る、直前のサインです。

 

曇りへの対策:ワックスの量

 

ある程度毛穴が埋まり、それでも曇りが取れないときは、クロスに取るワックスの量を減らしてみてください。すでに靴表面に乗っているワックスを、十分に、均一に塗り伸ばすことを意識すると光りやすいです。
合わせて、力を少しだけ強めたり、あるいは弱めたりするのもオススメ。
水を一粒だけ垂らして、縦に指を動かす「水研ぎ」も曇りを晴らすのには有効です。

 

最後に

 
以上、鏡面磨きが上手くいかないパターンについての解説でした。
ハイシャインプライマーだけでなく、他のワックスを使用している際にも通ずる部分かと思います。

とはいえ、当然これが全パターンではありません。
もしも「上手くいかない」「試したけど効果がなかった」という時は、下記URLに掲載されているM.MOWBRAYブランド公認の「シューケアマイスター」が常駐する各店へぜひご相談ください。

シューケアマイスター店舗情報(https://www.shoe-repair.net/shops/

 

【ハイシャインプライマー特集④】開発者直伝、M.MOWBRAY ハイシャインプライマーを用いた鏡面の仕上げ方


Instagram等でも度々レポートしていた、初心者向けのハイシャイン(鏡面磨き)レクチャーイベント、「ハイシャイン道場」が横浜店(横浜高島屋6階 紳士靴売場内シューケア工房)で開催されました。

※2020年11月21日(土)に開催済


イベントで大盛況だったのが、M.MOWBRAY ハイシャインプライマーの生みの親でもある、”斗谷諒(はかりだに りょう)”氏による直伝のテクニック。

「鏡面磨きは初めての挑戦」
「ハイシャインにはあまり慣れていない…」

というビギナーの方でもこのように”ご自身の手で”光らせることができました。


今回は、そんな開発者直伝、斗谷氏のテクニックをご紹介いたします。
主な手順は以下の5つです。

 

①ベース作り
②下塗り
③中塗り
④上塗り
⑤仕上げ

それでは早速解説に移ります。

 

① ベース作り

M.MOWBRAY ハイシャインプライマー ¥2,500(税別)

 
通常のスムースレザーのケアを終えた靴に、まずはハイシャインプライマーを少量指塗りします。毛穴を均一に埋めるため、とった量を薄く、放射線状に塗ります。

※人によって肌に合わない可能性がございます。肌が弱い方は素手で塗るのはお控えください。

通常のスムースレザーのケアは下記をご覧ください。

<スムースレザーのお手入れ・磨き方>

https://m-mowbray.com/howto/smooth-leather-care/

  

SANOHATA BRUSH 馬毛 ¥4,800(税別)

 
指で塗り広げて、光らせたい箇所に底艶が出てきたら、馬毛ブラシでハイシャインプライマーを塗った面にブラッシングをし、プライマーの層を薄膜かつ均一に均します。

  

② 下塗り

M.MOWBRAY ポリッシングコットン ¥400(税別)

 

クロスを指に、ピンと張った状態で巻きつけます。このときはあくまでも”少し湿っている”くらいが適切です。指に巻きつけたのクロスを水でしっかりと濡らし、クロスの綺麗な面で強めに絞るように、水気をある程度抑えます。

 

M.MOWBRAY ROYAL グラサージュワックス ¥2,000(税別)


湿らせたクロスにグラサージュワックスを少量とり、クロスの綺麗な面で絞るようにして量を調整します。
ハイシャインプライマーを塗った表面に円の動きで塗り広げ、塗り広げ終わったら、縦と横の直線的な動きで圧をかけます。
少しだけ圧をかけて、毛穴の凹みに入っている、プライマーの油分を表面に押し出すことにより、底艶が出ます。
底艶がある程度出たら、徐々に力を抜いて円の動きに戻し、表面を平らに均していきます。

 

③ 中塗り

続けて、布の面を変えて水をたっぷりつけ、乾いた布で水気をしっかりと切った後、

 
グラサージュワックス▶ハイシャインプライマー▶グラサージュワックス

 

の順でワックスをとり、乾いた布によく擦り付けて、水分と2種のワックスを良いバランスに調節し、塗り広げます。表面の凹凸を均一にしやすいグラサージュワックスと、固まり、定着しやすいプライマーの両者を混ぜることで、ワックス層に厚みを持たせながら、表面の凹凸を均すことができます。

 

優しく弱めの力で塗り広げはじめ、
全体にある程度塗り広げたら、“表面が滑る感覚”を保ちながら、
すこしずつ塗る力を強めていきます。
再び徐々に力を抜いていき、表面がスルスル滑るようになったら、布を縦の直線的な動きに変えて、曇りをとります。

 

④ 上塗り

曇りが取れてきたら水を一滴垂らし、グラサージュワックスのみ少量とり、
“ 触れているか、触れていないかくらいの圧力 ”
で円を描きながら、曇りをとり、表面を平らに均します。

 

⑤ 仕上げ

布を綺麗な面に変え、水を湿りを感じる程度布にとります。『③ 中塗り』 で使用したクロスの面で布を絞り、水気を切るのと同時に、布にワックスを少量つけます。再び「触れているか、触れていないか」の圧力かつ、縦の動きで曇りを完全に取り去ります。

  

曇りが取り去れない場合は、水を一滴だけ垂らして、曇りをとります。
曇りが取れ、鏡面の反射が鋭くなったら、作業は完了です。

 

 

最後に


「出来る限り再現度の高い方法」ということで、今回はイベントでも大盛況だった方法をお伝えいたしました。もし上手くいかない場合は、各ポイントに立ち返ってじっくり取り組んでみてください。

また、より成功率をアップさせるために、こちらの「光らない鏡面磨きシリーズ」もぜひご覧ください

  

<今回の使用した商品>

(左)M.MOWBRAY ハイシャインプライマー ¥2,500(税別)
(中左)SANOHATA BRUSH 馬毛 ¥4,800(税別)
(中右)M.MOWBRAY ポリッシングコットン ¥400(税別)
(右)M.MOWBRAY ROYAL グラサージュワックス ¥2,000(税別)

M.モゥブレィブランドのシューケアプロダクツはプロのシューファクトリーやシューブランド、靴愛好家の方々から数多くの支持を得ているシューケア(靴手入れ)のトップブランドです。 M.モゥブレィブランドの代表的な商品であるデリケートクリーム、アニリンカーフクリーム、シュークリーム等はイタリアにおける皮革タンナーや靴メーカーの聖地の一つであるトスカーナ州の古いファクトリーで作られています。 製造は大型の機械で大量生産が主流の現代では珍しい、熟練の職人による頑固なまでのハンドメイド的製法を堅持して、欧州の靴クリーム作りの伝統と品質を現代に受け継がれています。また、プロユースで評価が高かった皮革用石鹸、ソール用クリーム、コバ用クリームなどを一般商品化し、さらに日本のファクトリーにて独自製法で開発したステインリムーバーやモールドクリーナーなどをラインナップに加えるなど、品質、伝統、革新をおこなうシューケアブランドとして、M.モゥブレィブランドのシューケアプロダクツは日々進化し続けています。M.モゥブレィプレステージは上質な天然成分を使用したM.モゥブレィの最高級レザークリームブランドです。